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いびきとは

いびきのメカニズム

普段、私たちは夜寝ている時の自分の状態は中々知ることはできません。

いびきをかいていないか心配、自分のいびきで夜中に起きてしまう、または家族のいびきが大きくて眠れない、時々呼吸が止まっていて心配、などなど…

いびきについての悩みは様々あると思いますが、そもそもいびきはどうやって起きているのか、考えたことはありますか?

いびきの主な原因は、空気の通り道である「上気道」が何らかの原因で狭くなることにあります。

狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなり、呼吸をしたときに粘膜が振動して音が生じます。

この振動音が、「いびき」です。

このタイプのいびきは仰向けに寝ている時に書くことが多いです。

身体を仰向けにして寝ると、重力によって軟口蓋や舌根など、上気道の周りにある粘膜組織がのどの奥に落ち込み、自然と上気道が狭められやすくなります。

眠っているときは身体がリラックスして下や喉の周りの筋肉も緩んだ状態になるため、より上気道がふさがれやすくなります。

単純性いびきといって、風邪、花粉症、鼻炎で鼻が詰まっている時、飲酒後や精神的に疲れがたまっている時などにかく一時的ないびきもあります。

しかし、長期間大きないびきをかき続けている場合には、口蓋扁桃の肥大やアデノイドの肥大などの病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の可能性

いびきがとても大きかったり、毎日いびきをかいたりするという場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まる症状です。

1時間あたりの無呼吸と低呼吸の総数が5回以上こえた場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

寝ている間に症状が出るため、自分では気が付かないことも多いですが、患者は300万人ほどいるといわれています。

睡眠時無呼吸症候群は治療方法があるため、しっかりと検査をして正しい方法で治療すれば改善できる可能性があります。

放置すると、心臓病や高血圧、脳卒中など重大な病気につながる危険性があります。

以下のような症状がある場合は専門の医療機関などに相談してみた方が良いかもしれません。

寝ている間
  • いびきをかく
  • いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかき始める
  • 呼吸が止まる
  • 呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
  • むせる
  • 何度も目が覚める(お手洗いに起きる)
  • 寝汗をかく
起きたとき
  • 口が渇いている
  • 頭が痛い、ズキズキする
  • 熟睡感がない
  • すっきり起きられない
  • 身体が重いと感じる
起きているとき
  • 強い眠気がある
  • だるさ、倦怠感がある
  • 集中力が続かない
  • いつも疲労感がある

年齢によっては更年期障害の一種

女性がいびきをかく場合、女性ホルモンの分泌量が減ったことが原因という可能性もあります。

更年期は一般的には45~55歳前後とされていますが人によって時期が異なり、40代で女性ホルモンの分泌量が一気に減少することも珍しくありません。

女性ホルモンは上気道の筋肉を収縮させる作用がありますが、更年期になり女性ホルモンの分泌量が少なくなると、気道が開きにくくなります。

そのため、40代50代の年代の女性はいびきをかきやすいといえるかもしれません。

やせ型の人でもいびきをかく

「肥満体型の人はいびきをかく」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、痩せていても顔の骨格によってはいびきをかきやすいことがあります。

特にアジア人女性は顎が小さかったり、歯の噛み合わせが悪かったりすることが原因でいびきをかくケースが多いです。

顎が小さく嚙み合わせが悪いことに加えて肥満体型の場合には、大きな音でいびきをかくこともあるでしょう。

若い頃からいびきをかいている場合には、骨格を確認してみると良いかもしれません。

いびきをかかないようにするには

いびきをかかにようにするための対策はいろいろあります。

横向きで就寝する

就寝時に仰向きで寝ると、舌が落ちて気道がうまく開かなくなり、いびきをかくことにつながります。

ベッドや壁に背中がつくようにして寝る、寝返りを打ちにくくなるため横向きで就寝できます。

睡眠中に仰向けになって舌が落ちることを予防できるでしょう。

いびき予防のツボを押す

人間の体にはたくさんのツボがあり、いびき対策に効果が期待できる「迎香」と「人迎」という2つのツボがあります。

「迎香」は鼻の脇にあり、刺激することで鼻づまりを解消する効果が期待できるため、一時的ないびきの対策になるでしょう。

「人迎」は喉仏の外側にあり、刺激することで首周辺の血流を促進し、首の余分な脂肪を燃焼する効果が期待できます。

いびき対策アイテムを使う

いびき対策グッズとして発売されている商品を試してみるのもおすすめです。

鼻づまりを解消する効果が期待できるテープや、唇に貼って口呼吸ができないように予防するテープなども発売されています。

また、マスクをして就寝することによって口の周りの湿度を保てるため、鼻づまりが原因の一時的ないびきの解消に効果が期待できるでしょう。

ほかにもいびき用のマウスピースは、下顎を前方に出すことで気道を広げる効果があります。

いびきの原因によって効果を実感しやすいいびき対策グッズは異なるため、まずは自分のいびきの原因を明確にすることから始めましょう。

肥満体型にならないようにする

肥満体型の方や、年齢とともに脂肪が増えたという方は、いびきをかきやすい傾向にあります。

適正体重になるようダイエットをすると、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状が軽減される可能性があるでしょう。

夜はお酒を飲まない

就寝前にアルコール摂取すると筋肉が緩むため、気道が塞がれることがあります。

就寝前にアルコールを飲まないようにすれば、いびきの予防・対策になるでしょう。

寝室の湿度を意識する

いびきをかきやすい人は、口呼吸をしていることが多いです。

口呼吸をすると口の中や喉が乾燥し、埃や塵も吸い込むため、喉が炎症を起こして気道が狭くなり大きないびきをかくことにつながります。

いびきを解消するために、部屋が乾燥しないよう湿度を保つことも重要です。

タバコを止める

タバコが上気道の粘膜を刺激し、炎症を起こして気道がむくみます。

常に炎症を起こしている状態になると気道の壁に厚みが出て、気道が狭くなるケースも多いです。

喉の痛みだけではなく、いびきをかくことにもつながるでしょう。

外科手術を受ける

口蓋扁桃肥大やアデノイド肥大などで上気道が狭くなっている場合は、外科手術で原因を取り除くことによって、いびきを解消する効果が期待できるでしょう。

(アデノイドとは鼻の一番奥、喉との間の上咽頭にあるリンパ組織のかたまりのこと)

また、海外では気道を拡張するために下顎や上顎を拡げる外科手術が行われています。

軟口蓋(鼻腔と口腔の間にある壁)を一部切除するといった方法もありますが、数年経つと治療した箇所の傷跡が原因で症状が再発するといったケースがあるため注意が必要です。

自己判断しないことが大切

気道が狭くなると一度の呼吸で空気が十分に肺に入らず、酸素が不足するので、さらに取り込もうとして大きないびきをかくようになります。

酸素が十分に取り込まれないと、体や脳に負荷がかかり、高血圧や生活習慣病になったり悪化したりといったことも起こります。

さらに、酸素が不足することで常に口呼吸をすることになり、風邪をひきやすかったり質の良い睡眠を取れなくなったりすることもあります。

いびきはこれらの病気や体の不調にもつながるため、早い段階で専門の医療機関で診断や治療をしてもらうことが大切です。

 

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