人間の頭は、約4~6kgと言われています。
その重みを首は常に支えている状態にあります。
例えば、頭を15度前に傾けると、首には約12㎏の力がかかります。
その角度によって、負担の大きさは変わります。
首の不調
首の不調は、首の後ろに位置する頭部を支えている筋肉群が、過度に緊張状態にあることで生じる違和感のことをいいます。
違和感のなかには、
・硬い
・張っている
・疲労感
・詰まっている感じ
・鉄板のような硬いものが入っている感覚
・重い
などがあります。
ひどくなると、
・痛み
・頭痛
・吐き気
・頭重感
・目の周りの重さ
・めまい
・うなじの痛み
などが生じます。
原因
《頚椎の歪み》
歪んだ骨格によって神経を圧迫し、筋肉に負荷がかかり痛みが生じます。
頚椎は正常であればS字状にカーブしていますが、真っ直ぐになるとストレートネック、逆にカーブすると後弯と呼ばれる状態になります。
スマートフォンの長時間使用などでカーブが崩れてしまうことが原因として挙げられます。
《姿勢の崩れ》
姿勢が悪いと脊椎のS字カーブが崩れ、血行不良や筋緊張が生じて首が痛む原因となります。
《ストレス過多》
ストレスによる筋緊張によって血行が悪くなる他、自律神経の乱れも原因になります。
普段多くのストレスを感じる生活を送っていると筋肉が緊張して硬くなり、痛みにつながります。
《加齢による変化》
椎間板は、椎骨の間に存在してクッションの役目をしています。
年齢を重ねて水分が減ってしまうと、骨が動いたときに衝撃を上手く吸収できなくなり痛くなる場合があります。
また、僧帽筋や胸鎖乳突筋は重い頭を支えていて、加齢により筋力が低下すると血流も低下し、こりや痛みにつながります。
特に女性や高齢者は筋肉量が少なく、肩や首がこりやすい傾向にあります。
《病気によるもの》
急な痛みを感じる時や普段とは異なる痛みが起こっている時は、病気が原因の可能性があります。
首の不調の中でも多いストレートネックとは
人間の頸椎(首の骨)は、7つの骨で構成され、横から見ると、頚椎は体の前方に向かって緩やかにカーブした後、後方に向かってカーブしており、生理的曲線を形成しています。
それを生理的前弯(ぜんわん)と言います。
前かがみ、下を向くという動作をすると、前弯が少なくなり、ストレートになります。
ストレートネックを引き起こす原因
デスクワークやスマホの使用により、首の前屈姿勢が長時間続くことで引き起こされます。
首や肩の筋肉が緊張する
↓
首や肩の血流が滞る
↓
疲労物質や痛み物質が蓄積する
↓
筋肉が凝り痛くなる
↓
繰り返して悪化
ストレートネックによる身体への影響
・首・肩の凝りや痛み
↓悪化すると
・頭痛
・手のしびれ
・めまい
・吐き気
ストレートネックの改善・予防方法
・スマホは目の高さに合わせる
さらに両手で持つようにしましょう
・デスクワーク時の姿勢を改善する
自分に合った机と椅子を選び、正しい姿勢でパソコン作業を行いましょう。
・睡眠時の枕の高さに気を付ける
高すぎる枕を使って寝ている場合、首は常に下を向いているような姿勢となり、ストレートネックの状態を作り出すため避けるようにしましょう。
さらに、柔らかすぎる枕を使用していると、頭部を安定させようとし、常に首が緊張した状態が続くため、負担がかかります。
・適度に休憩を取る
首への負担を少なくするために、パソコンやスマホを使う際は30分に1回は休憩をとることがお勧めです。
また、首や肩を動かしたり、背伸びをするなど、身体をこまめに動かすことを心がけましょう。
・首の後ろの筋肉に力を入れる
首が前に出ていることが多いので、その反対の動作を行いましょう。
寝た状態で枕に自分の頭を押し付けるような運動をすることで、首の後ろの筋肉が弛緩します。